人工透析とは

腎臓は血液をろ過する役割をしているとても大切な臓器です。

腎臓には心臓の1回の拍動で送り出される血液のうち、約1/4が送り込まれ、1日に約150ℓもの血液をろ過することができます。そうして全身をめぐる血液から老廃物や毒素を取り除き、血液をきれいにします。取り除かれた老廃物や毒素は尿に混ざって排泄され、体の外へ送りだされます。そのほかにも血圧の上昇を防いだり、赤血球を生成する働きもあります。

腎機能が低下すると、以下のトラブルがあります。

腎機能が低下すると、以下のトラブルがあります。
水分が体にたまる
むくみ(浮腫)、高血圧、低ナトリウム血症、肺水腫などの症状がみられるようになります。
老廃物が体にたまる
尿毒症(食欲低下、吐き気、嘔吐、意識混濁、けいれんなど)を起こす恐れがあります。
電解質が体にたまる
高カリウム血症、高リン血症を発症する可能性があります。

腎機能が低下していくと、身体はそれを補うことが次第に難しくなっていきます。

医師による診断を受けず、尿毒症の状態を放置すると、いずれは意識がもうろうとなり倒れるなど、生命に関わる深刻な状態に陥ります。

そのため腎機能が低下してしまった場合は、人工透析で、腎臓に替わって、血液中の老廃物の除去、電解質の維持、水分量の維持をする必要があります。

当院の人工透析について

当院は透析室は大部屋の他にも、感染症などで隔離の必要な患者様のために完全個室の透析室を2部屋ご用意しております。人工透析について何かご不明な点がある場合は直接当院までご連絡ください。また、旅行者などに対する臨時透析も随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

当院の透析室について

透析ベッドの間隔を広めにとっており、全てのベットに液晶TVが備え付けてあります。最新の空調が完備されており、透析中も過ごしやすい環境を目指しております。室内はWi-Fiが利用可能ですのでタブレット端末やスマートフォンの利用も可能です。

透析情報管理システムDia Com iPを採用し、透析用監視装置にはオンラインHDF対応のNCV-2を採用しております。

また、血液透析モニターHD02によりシャント血流の評価や再修復の有無をチェック可能で、随時院内のX線透視室や超音波(エコー)検査で患者様のシャント血管に異常がないか確認することができます。

透析情報システムダイアコムについて

当院では透析情報管理システムDiaCom iPを採用しています。DiaCom iPはパソコンを使用して透析医療における業務の省力化、効率化、及び質の維持向上を目指したシステムです。安全な透析を行うにあたって透析情報管理システムを導入し、ヒューマンエラーの軽減と透析クオリティーの向上に取り組んでいます。

医師、看護師、臨床工学技士ごとに機能を分けることで、

業務分担が明確になり、業務の省力化と効率化が図れます。

除水の計算や透析装置への条件設定などは、コンピュータにより自動で行いますので計算ミスや設定ミスなどのヒューマンエラーを減らすことができます。

患者さんごとのきめ細かい治療条件が、コンピューターから透析装置に送信され、ワンタッチで患者様に最適な条件での透析が可能です。

治療中の透析装置の動作状態をコンピューター画面で確認できますので、

透析装置のそばに行かなくても装置のデータや警報をすばやく確認できます。

検査センターからの検査データを取り込んで、

グラフ化や統計計算をすることができます。

オンラインHDFについて

HDFとは、血液透析にろ過を加えた治療法です。

HDFでは、大量の補液をしてろ過する量を増やし、血液透析よりも低中分子蛋白といわれる物質を多く取り除くことができます。現在行われているオンラインHDFという方法は、透析液をそのまま補充液として使用するため、ろ過するために必要な補充液量を多く出来ます。そのため、多くのろ過をかけることができ、より多くの老廃物を取り除くことができるのです。

オンラインHDFは、透析の合併症も同時に予防できます。

透析を長期続けると起こってくる合併症にアミロイドーシスがあります。これは、β2-マイクログロブリンという物質が、関節や骨に沈着して神経を圧迫し、手の親指から中指にかけて痛みやしびれが出現する手根管症候群などを起こすもので、ひどくなると手術が必要になってきます。

このアミロイドーシスの原因である「β2-マイクログロブリン」を積極的に取り除き、合併症を予防することができるのも、オンラインHDFの特徴です。

オンラインHDFの利点
透析患者様の予後を改善できます。
心臓への負担が少ないです。
酸化ストレスの改善に期待できます。
栄養状態が良くなります。
貧血が改善します。

しかし、透析液を補充液に使用するには、厳重な透析液の水質管理を行わなければなりません。通常透析液は、細菌の成分であるエンドトキシンという物質で汚染されています。オンラインHDFを行うためには、細菌やエンドトキシンを測定感度以下になるまで清浄化させ且つ、専用の機器を使用することが原則です。

当院ではエンドトキシンと細菌検査を定期的に実施し、測定感度以下を確認した上で専用の機器[ニプロ社製 NCV-2]を使用してオンラインHDFを安全に行っております。

シャント血管治療について

透析を行うためには十分な血液を確保できる、丈夫な血管が必要です。

通常、透析が必要になると、まず、内シャント作成という手術を受けることになります。これは、動脈と静脈をつなぎ合わせ、血液透析用の血管を作成するものです。透析導入後、安定して透析を続けていくために、シャントを大切に管理していく必要があります。


シャントを長持ちさせるためには、圧迫や感染、出血の予防、日々の管理が重要になりますが、長時間使用していく中で、どうしても血栓で閉塞してしまったり、血管そのものが硬く、狭くなったりすることがあります。そのような場合、シャント血管の治療が必要になります。


当院では、シャント血管治療に対応したレントゲン透視装置を併設しており、必要に応じ、外来的に速やかな検査治療が可能です。

診療案内

人工透析 受付時間
月~金
午前
午後