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北海道札幌市の泌尿器科専門病院です

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泌尿器memo 2  女性と膀胱の深い関係privacy policy

はじめに

  • 意味深なタイトルではありますが、女性にとっても泌尿器科は決して遠い存在ではないことを申し上げたかったのです。中でも特に、女性は膀胱という骨盤内臓器に生涯振り回されかねません。今回は、やっかいで身近な臓器、膀胱の女性との関わりについてお話をしたいと思います。

もくじ


膀胱は何をしているの?

  • 膀胱は下腹部にある尿をためる臓器です。膣により下から支えられる形で、骨盤内の最も腹側、恥骨のすぐ近くに存在します。後ろには子宮があり、腹膜という膜をはさんで小腸とも接しています。尿は上腹部にある腎臓で作られ、尿管の中を下降して膀胱にたまってゆきます。
     膀胱は複雑な中枢神経(脳や脊髄)の制御のもと、蓄尿と排尿を繰り返しています。脳からの排尿命令があったときだけ、膀胱の収縮とともに、その出口となる尿道がリラックスし、尿は体外に排泄されます。
     女性の場合、男性に比べて尿道が短く、細菌の進入しやすい環境にあることと、尿をもらさないようにするしくみが男性より複雑でデリケートなことが、膀胱の健康を損ないやすい大きな原因となっています。また、子宮や膣といった婦人科的臓器との関連も密接で、出産や加齢の影響を受けやすいのも特徴です。

女性に多い膀胱の病気にはどんなものがあるのですか?

  • なんといっても膀胱炎です。そして、頻尿、尿失禁といった、いわゆる蓄尿障害が成人女性にはよくみられます。代表的な尿失禁には、咳をしたときやお腹に力が入ったときに漏れる腹圧性尿失禁と、尿意を感じたあと我慢できずに漏れてしまう切迫性尿失禁があります。このような病気は、命に関わることは少ないのですが、身体的、精神的な影響がとても大きく、生活の質(quality of life:QOL)を著しく低下させるものです。高齢者では膀胱が下がり、不快な異物感や排尿障害の原因となることもあります。最近では、間質性膀胱炎という、通常の膀胱炎とは異なる特殊な病気が意外に多く潜んでいることがわかってきています。男性同様、糖尿病や脳血管障害などに伴う排尿異常も少なくありません。
    

膀胱炎の予防法や治療を教えてください。

  •  膀胱炎は女性の半数が生涯に1度はかかるといわれるほど頻度の高いものです。この主な理由は、女性の尿道が短く、出口が大腸菌など細菌の汚染をうけやすい膣前庭といわれる部分にあるためです。若い方では排尿痛、頻尿、残尿感などが急に出現する事が多いですが、高齢者の場合は慢性に経過する場合もあり症状も比較的軽いものが多いです。
     一般に感染症にかかるか否かは、人間の抵抗力と細菌の病原性(つよさ)の力関係で決まりますが、尿路の場合は、とくに膀胱の防御機構とともに、細菌の体内への進入を妨害する尿の正常な流れが重要です。したがって、ふだんから水分をしっかり摂り、尿をがまんしない習慣をつけることが予防の基本です。便秘や過労を避けること、下腹部を冷やさないようにすることも大切です。
     膀胱炎の治療は抗生物質の短期間の服用(3-7日間)です。膀胱炎で高熱がでることはありません。ふるえるような寒気や発熱、左右どちらかのわき腹や背部の痛みを伴う場合には、感染が腎臓におよび、腎盂腎炎を起こしたことを意味します。腎盂炎は重症化することがありますので、速やかに専門医を受診しましょう。
     膀胱炎治療が長引く場合には、他の病気がうしろに潜んでいることがあるので、専門的検査が必要です。特に高齢者では他の泌尿器科的異常がみつかる確率が高くなります。
     

間質性膀胱炎について詳しく教えてください。

  • 激しい頻尿と、膀胱尿道部の痛み(特に尿がたまってくるとき)が特徴で、今のところ原因は不明です。痛みを訴えない初期の患者も含めると、潜在する患者数はかなりあると言われています。単なる治りの悪い膀胱炎として見過ごされることが多く、種々の薬剤の効果が少ないため、ときには心因性の病気とされているケースもみかけられます。専門医でないと診断は難しく、かつ、治療にも難渋します。間質性膀胱炎が疑われたら、早めに麻酔下での膀胱鏡検査を行うことをお勧めします。内視鏡で特徴的所見が認められれば、その場ですぐ治療として水圧拡張術を行います。これは半数以上の方に有効です。膀胱訓練のほか、内服薬(抗アレルギー剤、三環系抗うつ薬、抗ヒスタミン薬など)もある程度有効で、適宜、複数の薬剤を併用します。薬剤を膀胱内に注入する治療法もあります。⇒間質性膀胱炎について
     

尿をがまんできない過活動膀胱とはどんな病気?

  • 尿意切迫感(ふいに尿がしたくなって我慢するのがとてもつらい症状)や頻尿(尿が近いこと)を主な症状とする病気です。蓄尿時に膀胱が勝手に収縮してしまう「排尿筋過活動」が主因のひとつですが、最近の研究では膀胱の感覚神経系の異常がより大きな原因と考えられるようになってきました。40歳以上の日本人の12.4%(800万人以上)が過活動膀胱を有するといわれています。尿失禁を伴うものと伴わないものがありますが、女性に多いものは尿失禁を伴うもので、高齢者になればなるほど、増えてゆきます。一日の排尿回数が8回以上、尿意切迫感が週1回以上あれば、過活動膀胱と診断されます。主な治療は抗コリン剤という内服薬で、かなりの割合で効果があります。副作用に便秘やのどの渇きがあり、最近ではそのような副作用の少ない新薬も登場しています。検査はほとんどの場合、必要ありませんので、心配な方やお困りの方は、気軽に泌尿器科を受診されることをお勧めします。
     

尿がもれやすくおなかに力を入れられません。治りますか?

  • 尿失禁は成人女性の4人に1人にみられ、その重症度は年齢とともに高まるといわれています。
    日本で40歳以上の女性を調査した結果では、なんと44%が尿失禁を経験しています。
    くしゃみや咳をした時や、運動時など腹圧がかかった時に尿が漏れるものを腹圧性尿失禁と呼び、妊娠出産、肥満やホルモン環境の変化、子宮の摘出などの婦人科的手術との因果関係が指摘されています。
    治療は、軽症であれば骨盤底筋訓練という一種の筋トレのようなプログラムを気長に行うことで結構効果があります。薬物治療にも多少の効果が期待できます。尿道の筋力を高める新薬も開発されつつあります。
    最近は外科的治療の進歩が著しく、治療の主流となっています。短時間で安全に手術ができるようになりました。最も世界的に普及しているのはTVT手術TOT手術です。特殊なテープで尿道を支えて尿もれを防ぐもので、効果も確実です。長期成績も安定しています。(⇒尿失禁について)
     

7.尿が赤くなります。恐い病気でしょうか?

  • もし、排尿痛や残尿感などを伴っていれば、膀胱炎の可能性があります。トイレットペーパーが赤くなり、出血に気がつく方が多いようです。尿が初めから最後まで赤く、右か左のわき腹が痛む場合には、尿路結石の可能性があります。腎臓病の中には尿に血液の混ざるものが少なくありません。腰や腹部をぶつけたあとであれば、腎臓外傷の可能性があります。間欠的あるいは周期的に尿が赤くなる特殊な病気もあります。脳梗塞や心筋梗塞の予防のため、血液をさらさらにする薬を内服している方は、ちょっとした炎症でも血尿が出やすいので注意が必要です。無症状なのに尿が赤い場合、まれに膀胱や腎臓尿管の癌がみつかることがありますので、とにかく泌尿器科を受診したほうがよいでしょう。
     

8.診察が心配です。どんな検査をされるのですか?

  • 外来では、症状とこれまでの経過を良く聞かせていただくことが最も大切です。基本的には毎回検尿を行い、尿中の血液や細菌の有無、蛋白尿の有無、細胞成分や結晶成分の有無などを確認します。初診時には腹部の診察を行いますが、必要がない限り、特に外陰部の診察は行いません。血尿や尿路結石が疑わしい場合などには、レントゲン検査や採血などを行います。大抵はその日のうちに診断がつきます。専門的な膀胱機能検査や内視鏡検査を予定することは、診断の難しい場合に限られます。

           

9.最後に

  • 以上、私たちがこの分野で、どういう考えのもとに、どういう診療をしているのか、多少なりともご理解くださればとても嬉しいです。尿失禁外来のページもぜひご覧くださいね。ご意見、ご批判お待ちしております。(文責:飴田 要)
     

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